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私はチラッとききの顔を見ようとした…がその瞬間、ききの大きな手で目を覆われた。
「こっち見んなッ…!」
でも私、覆われる前に少し見えちゃった。
部屋は暗くても、テレて真っ赤になってるききのカワイイ顔を…。
「ちゃんと、 ‘ 言葉 ’ で言って!!」
「…あんなの事が好きだ…手紙、嬉しかったよ ありがとな…。」
そう言って、子供にするみたいに、私の頭を撫でてくれた。
「私もっ私もききの事だぁーい好き。」
いつもの何倍も素直になれた私は、ギュッとききに抱きついた…。
……
……
……
「チャン チャン♪〃ってな感じで本当~ゆうすけ君ありがとうぉー。」
俺はシラ~とした表情をしていた。
「ナニヨーその顔~!!!」
あんなは、俺の頬を両手で、ビロ~ンと引っ張った。
「ヒテーヨーハーアーシーヨー。(イテーヨハナーセヨー)」
パッと手を離し、
「依頼人が喜んでるんだから、もっと一緒に喜んでよー。」
「いやー俺の想像妄想と、あんなのノロケナレーションが生々しくてよ…重苦しかったゼ。ニカッ。
しかもご近所定番、窓移りだもんなーカーッ↑ お熱い事で。ニヤニヤ。」
「バカーーッ!!もうあんな素敵なラブレターを書いた人とは思えないよー。はぁ~。あ″っ私もワッフル1つ下さぁーい。」
俺は頬を摩りながら、
「イチチ。キューピッド様になんて事を…。あ″っ慰謝料で俺のもオゴってもらうかんなー。りゅうちゃん全部乗せ1つ!」
ビシーッと!俺は人差し指を掲げた。
「あいよーってお前2個目だろーが!」
「キャハハ、キャハハ。」
あんなは、好きな人と結ばれてとても幸せそうだった。
人を好きになる力って、とても雄大でいつも俺はスゲーっと思ってしまう…。
そう思いながらあんなを見送り、艶やかな紅の空を見つめていた…。
「りゅうちゃん、ブラック。」
「んっ。」
サッと紙コップを、手渡してくれた。
「ズズズ…まぁ、後は『アイ』の付く名前が出て来なければ、幸せだろーなぁ…あのカップル。」
「…一応聞いてやるよ何ソレ?」
俺は目を輝かせて、
「聞きたい?そうかあ聞きたいかぁー!?しょうがないなぁ~ 。コホン。」
俺は咳払いをワザとしながら、続けた。
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