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俺はまた、天にも昇るような気持ちでスキップして、ドアへ向かってカギを開けた。
また『ピーンポーン』と鳴り、俺は背中に花を背負い(しょい)、
「はーい、開いてますよー。」
カチャッとドアが開いた。
「いきなりですいません、お邪魔します。ペコ。」
かんなはお辞儀を可愛くする。
「ハーイどーぞどーぞ。」
『フリフリワンピなのに、眼鏡…文学少女コレキタでしょー。』
「じゃあかんなちゃん、依頼の前に君の事キコーかぁ?」
俺は小学生少女にキメ顔を咬ました。
「あっハイッ。よろしくお願いします。」
『ウンウンいーねぇー礼儀正しくて。』
基本、女の依頼は嫌いな俺だが、小さくてカワイーものは大好きな俺だった。
「キミの好きな歴史人物は誰かな?」
俺はジャスミンティーを差し出しながら、質問した。
『ウキウキ、ワクワク。』
俺の心は踊り、目はとてつもなく輝いていた…。
「あっ…紫式部です。」
『キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!これは超・超・超・文学少女でしょ!!!
イエーース、イエーース、イエーース!!!』
俺はテンションMAXで心の声を叫びながら、ガッツポーズをしていた。
「あの…ゆうすけさん?次は私のお話してもよろしいでしょうか?」
「いいよー。言いたまえ~。」
『えーっもっと歴史の話したいのになぁ~ブーブー。』
あからさまにヘコんだ声を出していた…。
「転校した私の親友がなんだかおかしいんですっ!!」
「ん~?どんな風にぃ?」
「私とその親友はメールやLINEをするよりも、手紙が好きで、文通をしていたんです。引っ越ししてしまってからの1.2ヶ月も、
たわいない話ばかりだったけど、とても楽しかったし…なのに先日いきなり電話がかかってきて…
『もう手紙なんて送ってこないでっ!!』
言われてガチャンと切られたの…。だからしつこく電話もメールも、いろいろしてみたんだけど、知らないオジさんが出て、
取り合ってもらえないし、スマホの番号も変わってて……。」
「そうか…それでどうしたいの?」
「ゆうすけさんに…文章の天才に、きみかの本音を探ってほしいデス。お願いします。ペコ。」
「ハーイ。よく言えました。エラかったなぁー。」
俺はかんなを中腰でギュッと抱きしめた。
「うっうぁ~ん、うわぁ~ん。」
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