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「こっこれは…、私はクウォーターなのっ!!ってそんな事、あんたに説明する義理ないんだからねっ。」
「しっかもなんか変なツンデレきたぁ!!」
「オイオイ、しゃべり方だけだろ?ゆうすけ…。」
「なんでぇ~変装なんかぁ…。」
「その格好すれば、あなたを奴隷みたいに扱えるって…
‘ あの子と一緒 ’ の格好までしたのに…みもりちゃんの言う事聞くんじゃなかったぁ…。」
「クスクス。どれいって…。」
りゅうちゃんは口に拳を当てて、ケラケラ笑っていた。
「またあのませガキかぁー!!」
「やっぱり来るんじゃなかったぁ↓…。」
「まあまあそう言わず、バナナワッフル食えよ。ここのは生地もそのフルーツが練り込まれてるんだゼって… …
騙されて泣きたいのはこっちだっつーのっ!」
「フンッ。」
かんなは差し出したワッフルを受け取り、プイっとそっぽを向いた。
「別にあんたに言われたから、食べるんじゃないからねっ。」
「これは、ツンデレだろ。フッフフ。」
「ハイハイわかったわかった、ここに来たのはコレ(ワッフル)が目的じゃないだろゆうすけ?」
「モゴモゴモゴ。ゴクンッ。ペロッ。うんやワッフルも食いに来たよ。それとじゃあ、これ頼むわ…。」
俺は小さなメモ用紙を、人差し指と中指でピッとりゅうちゃんに放り投げた。
「…。」
りゅうちゃんは紙を受け取り、かんなはモグモグこっちをキッと睨んでいた。
「心配すんな……ブロンドツンデレちゃん…。俺はウソは言わねぇよ、ちゃんと依頼はやりますからねぇ~…なっ?」
スリスリと手を合わせ、ウィンクしながら、かんなに言った。
「佐賀県…!?」
りゅうちゃんはボソッと言った。
「ええっ!?」
かんなはりゅうの言葉に反応し、バッと俺の方を見た。
「…言ってないのに、きみかが引っ越しした先なんでわかったの?」
「…。筑紫の肥前といふ所により、文(ふみ)をおこせたるを…いと遙かなる所にて見けり。
その返りごとに、あひ見むと思ふ心は松浦(まつら)なる 鏡の神や 空に見るらむ返し、又の年待て来たり。
行きめぐり逢ふ松浦の鏡に誰(たれ)をかけつつ祈るとか知る。(紫式部集より)」
「…紫式部と親友とのやりとりの歌…。」
「おお~、紫式部が好きっていうのは本当だったかあ~。まぁそれもウソだったらおにーちゃんマジ泣きしちゃう…。」
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