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そしてそのままかんなを連れて、佐賀県へ前乗りしようと、まずは新幹線で博多へ向った…。
「今日はここに泊まるぞぉい。」
「えっ佐賀県に行くんでしょ?」
「いやぁそうだけど、おいしーもんは博多でしょー。」
「えっ?おいしいものって…きみかは…?」
「通りもんとか、とんこつラーメンとかぁ~それから水炊きでしょ~もつ鍋でしょ~、魚はもちろん鯖!!」
俺はヨダレを垂らしながら、浮かれた。
「もー!!きみかの事、優先してよ~!!」
「プッ きみかきみかって…いいねぇ、青春してて、ツンデレちゃん。」
「私は、きみかに会いたいんじゃなくて、きみかの本音を聞きたいだけなんだからぁ!!」
「…ギャアギャア 大変だねー。ちっと落ち着いて、旅を楽しめよ~。癒されないと…頭使えねぇばい。(ワラ)
もっと力を抜いたら~?って俺がワリぃのか…。」
『なんでこんな人に頼んじゃったんだろー…。みもりちゃぁーん、この人大丈夫なの~?でもなんか…。』
私はパッと、ゆうすけを見た。
「ほらほら なんか食いに行こーゼ。ニカッ。」
「フフフ。」
私も子供なのに、ゆうすけの…このくったくのない笑顔に当てられちゃったんだろな…ちょっとはこの旅を楽しんで、ほんの数時間だけ、
この博多の夜を遊んで過ごそうかな…この男を信じてみよう…。
ほんの少しだけ…
って!!!
「いつまで遊んでるのー!!」
私が一緒になってとことん遊んで、食べ歩きしたら、天神の夜道に引き込まれそうになった。
「こーんなウメェ~ とんこつラーメンなのにカリカリすんなよ、ズルズルズル。ツンツンちゃんプッ。」
俺は顔を膨らませて、片手を口に当てた。
「キモイってのっ!」
「はぁ~お兄ちゃん キズつくなぁ…。まぁツンデレちゃんかなりご立腹してるし、そろそろ宿に行きますか… フー。」
俺は眉をへの字にさせながら言った。
某老舗旅館 ─── 。
「ちょっとちょっと、こんないい旅館、いくら私の家がお金持ちだからって、こんな所に泊まるのっ!?」
「ホー意外と一般市民の価値観持ってんだな。だぁーいじょうぶ、ココ タダだから、ニコッ。」
「老舗旅館がタダぁ!?あんた一体何者なの?」
「何者って…。。クス。ただのコネだよ。」
すると従業員達が出てきて一斉に、
『お帰りなさいませ、ゆうすけ ‘ お坊っちゃま ’ 。』
と挨拶してきた。
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