message2 小さな宇宙を探求し、輝きは冒険化へと導く

10/11
前へ
/23ページ
次へ
俺は立ち上がり、片手で頭をポンと撫でながら、ニカッと笑った。 「なっ?ツンデレちゃん?」 「フン。あんたに言われてじゃないもん!!きみかの為だもん。べー。」 かんなは舌を出しながら、スタスタと家の前まで走ってった。 インターフォンを鳴らそうとすると、黒服が話しかけてきた。 「どなたです?」 「…きみかちゃんの友人の岡崎かんなです。ちょうどこちらに家族旅行に来ていたので…直接会いたくて…。 きみかちゃんはいらっしゃいますか?」 「あのお嬢さんのねぇ…。」 黒服は、トランシーバーのようなもので、内部とやり取りしていた。 「…了解。」 そしてまた、サングラス越しに私をジッと見て、 「帰って頂けませんか?ここのお嬢さんは、岡崎かんなという友人はいないと…申し上げていますので…。お引き取りを…。」 「はぁ…ゆうすけといい、友人の家といい…こんなんで私は引き下がらないんだからねっ。」 そう言って私は全力疾走して、家の中に入った。 「あっコラ!!『ガキが家の中に侵入しました。繰り返す、女のガキが家の中に侵入しました。』」 子供の私はやはりすぐ捕まった…。 両腕を持たれて拘束される私…。 「ちょっとー!!本当になんなのよー!!きみかー!!!出てきなさぁーい。」 私は喉がはち切れそうなぐらい、叫んだ。 「静かにしろ、ガキに手荒なマネはしたくない!!」 黒服は、大きな声で言い、片手で私の頭を地面につけた。 「もーなにがどーなってるのよー!!」 私はもうわけが分からなくて、雄叫びのように叫びまくった。 そこに、やっと やっと やっと 本命が登場した、きみかが目の前に現れた。 地面にひかれてる砂利を踏み、ザザっと音が鳴る。 「…フン。何しに来たのよ。」 「何って、別にきみかに会いに来たんじゃないからねっ。聞きたい事があったの…。」 「聞きたい事?それでわざわざ東京から佐賀まで?ハン、お金持ちはやる事がスケールでかいねぇ~。」 「そんな事どうでもいいっ!!この手紙を読んでっ!!!」 そう言ってカバンから必死に便せんを出した、小さな私の力の限りに…だけど手渡すまで届かず、地面に落ちた。 「…私はあんたと友達なんかじゃない!!さっさと帰ってよ!!」 きみかは荒んだ目線で私を見降ろし、手紙を踏みつけた、グシャッと…。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加