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私は我慢できなくなって、
「…なしなさい…。」
私を掴まえていた黒服は、
「なんと?」
と言って私に耳を近づけてきた。
私は涙目になって、
「離しなさいって言ってるの!!」
両手の拳を握り締めて、叫んだ。
すると黒服達は、小さな女の子の声に、一瞬ビクつき、手を離し、きみかも便せんから足を避けた。
私はゆっくり地面に落ちた便せんを拾い、
「あんた意味わかんない、友達でもないって、もうそれでもいいわっ!でもっ でもっ … 。」
目を涙でいっぱいに曇らせ、
「これ読めって言ってんのよ!!」
そう叫び、手をきみかへ差し出した。
すると、そこにきみかのお父さんが来た。
「こっこれは一体何事なんだっ!?」
「…お父さん…。」
「…うっおじさん。グスグス。」
するとおじさんは、私達の所に駆け寄り、同じ目線になり、大きな腕で囲んだ。
「ごめんね、かんなちゃん、きみかも…いっぱい辛い想いさせて、すまなかった…。もう大丈夫だから、この人達はいなくなるからな。」
私の吹き出しは『?』でいっぱいだったが、きみかはそれを聞いた瞬間、私から手紙を奪い取り、ビリリと雑に開け黙って読み始めた。
親友への手紙…
きみかへ
単刀直入に言うわ、何か理由がないとそんな暴言を吐かない…。
本音を教えなさい!!!
とても心配してるのよ…。
それにあなたといた時間は楽しかった。
私とあなたはとても似てる、言葉では意地張っちゃう、気持ちをなかなか素直に言えない…
だからあなたと友達になれた事はすごくウレしかった。
それなのに…何があったかわからないけど、私はいつまでもあなたと、
きみかとずっと友達でいたいの!!
周りの大人は、小さいコロに離れた友人とは、繋がりなくなるって言うけど、
私ときみかは違うってショーメイしてみせる!!
お願い、真実を教えて、それでも文通出来ないなら、違う方法を考えるから。
私は文通は諦めても、友達を辞める事は諦めないんだからねっ!
かんなより
読んでる途中でも、読み終わった直後でもきみかは、大泣きしながら、顔は笑っていた…。
「うっうっムニャ… ごめんねっ うっ うっ かんなぁぁぁ~。」
そう言って私に抱きついてきた。
「えっ えっ !? ナニ ?どういう事っ!?」
そこにやっとゆうすけが、乱入して来た。
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