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「ぷっあははは。」
そう ‘ ウチ ’ は原稿屋、文章の代筆ならなんでもする、今の所、俺一人で切り盛りしてる。
国語の成績は悪かった俺でも、文章を書く事、作文を書く事は、他の誰より大の得意だった。
ちょっとした経緯(いきさつ)で始めた原稿屋、俺の捜し物が見つかればと思って、営んでいる。
「わかった。ちゃんとラブレター出来たら払うよ。」
「ハイー仰せ預かりましたー。」
俺は、ここでもまたいつも通りのかるーい返事をした。
「で、詳細ですが…。まずその男とはどういう状況化であるんだ?」
「幼なじみなんだけど、最近、気づいちゃったっていうか、もーアイツを見るだけで心臓バクバクしちゃって…。近すぎる存在だから、
なんか立ち入れないっていうか、意地張った事ばっかしか言えなくて、想ってもない事ばかり言っちゃうのよ~。」
あんなは、テレながらそう言った。
「って小学生かって…むしろツンデレ?いや意思表示できてねぇならただのツンツンかっ!?」
そこにりりあが、口を挟んできた。
「ゆうすけ頼むよー。なんか相手も気があるみたいな気いするし、簡単でしょー?あんたの文でキッカケ作ってやって、ねっ?」
ウィンクして、りりあが俺に頼む。
「えっ!?気がありそうなのかよ?相手の奴も。」
俺はジッとあんなに、目線を向けた。
「そっそんな事はないと思う、優しいと思ったら、イジワルだし、昔ほど、キャッキャッ言って一緒に騒がなくなっちゃったし↓…。」
「…フー。」
俺は溜め息をつき、それ以上は何も言わなかった。
だが、俺は思った、思いまくった。
『それってただのノロケなんじゃねぇの?思春期が過ぎ、好きな女の前でカッコつけたくなっただけだろ…ソレ…。』
俺は、目を細めびみょーに否定的な顔をしながら、尚続けて思った。
『まぁ…こんなラクショーな依頼で金が入るなら、全然いーけどな。』
「あーゆうすけ、心の声がモレッモレッに漏れそうだよ。」
りりあは呆れた顔でツッコんできた。
「コホン…。何の事ですかな?」
なんとなく誤魔化す俺…。
「じゃあ…とびっきりのラブレターお願いね、ゆうすけ君。」
「フーン。まぁじゃあ、出会い馴れ初めと、何個かデカい二人の思い出でも聞いて、お開きにしましょうかね…。」
俺は、あんなからフムフムと話を呑み込み、一気に叩き込んだ。
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