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俺は立ち上がり、あんなが座ってるソファの背後に立って、頭をポンポンと叩きながら、
「大丈夫…ウマくいくよ…。」
あんなはワシャッとテレた顔をして、
「…そうだといいなぁ…。」
去る時代、古代エジプト第十八王朝時代、ツタンカーメンとアンケセナーメンという、ほのぼのとした王妃夫婦がいた。
小さい時も共に育ち、仲睦まじかったという…。
まぁ異母姉弟だったみたいだが、この時代は、兄妹(けいまい)、姉弟(してい)、親子の結婚は珍しくなかった。
ボーッと、ちょっと歴史をボソボソと呟いていると、りりあが事務所に勝手に入って来た。
「でそれが今回ナニと関係あるの?ロマンオタクさん?」
「チッなんだよ。勝手に入ってくんなよ…。」
「いいじゃん、いいじゃん。それとも夕日に1人で黄昏たかった?」
「えっ!?もう夕方かよ。」
「集中するとこれだもんね。」
りりあにそう言われて、俺は頭の上の吹き出しは、グチャグチャマークが出てる気分だ、ちょっと自分に呆れた。
「コホン。それとさっきの続きで、前世であの二人は、ツタンカーメンとアンケセナーメンの生まれ変わりかなっと。バチン。」
とウィンクを飛ばした。
「いや、なんで?根拠は??」
「名前をかなりモジったらその二人になるだろ??アンケセナーメン、毛瀬あんな、相手の男がツタンカーメン、津田亀きき。なっ?」
りりあは呆れ顔で、
「…。ムリクリスギ、ないない、ないでしょ。。」
「まぁそうだったとしても、ロマンチックだし、ウマくいきそうだろ?設定も幼なじみだしな…。」
「そうね、そんなサイドストーリーがあってもいいわよね。」
りりあと二人で夕焼けを見ながら、二人の恋も夕日のように、熱く燃えてほしいと願った。
りりあは肘を立て、手の平に顔を乗せ、
「ふ~ん、だからあんなに依頼を面倒くさがってたのね。ゲンコー屋さん。」
「フ…というか人の色恋沙汰に他人が、手を差し伸ばすべきじゃないだろ?」
「ハハハ。カッコつけちゃって…。」
「っていうかお前、何しに来たんだよ。」
「…。。」
翌日の夕方 ─── 近所のワゴンワッフル屋にて。
「もっと生クリームいっぱいかけてよ。りゅうちゃん。」
「誰がりゅうちゃんじゃい。男のくせに固形甘党めっ!!」
冗談混じりなのに、激しく罵倒してくるりゅうちゃん。
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