7人が本棚に入れています
本棚に追加
「客に向かってそれはねぇーだろー。」
「お前なんか客じゃねぇ~ただの腐れ縁だ。」
「おうよ~。急に ‘ 幼なじみ ’ に会いたくなってよ。」
「お前、ここの常連だろーが。」
「あーやっぱ男だと雰囲気出ねぇーなぁ…。りゅうちゃん女だったら良かったのに。ハムハムハム。ペロ。」
ワッフルを頬張りながら、チクチクとりゅうちゃんに言った。
「ムチャクチャ言うな…。そっくりその言葉返してやるゼ。」
すると、そこにあんなが駆け寄って来た。
「ゆーーすけくーーん。」
手を振りながら声を張って来る。
「よう、来ると思ってたゼ。」
「ハァハァ…。ヒドいよ。結末を見に来てって言ったのに…。」
「ハーン。でもそんな乙女な顔で来るって事は、どうせウマくイッたんだろ?」
あんなは色めき乙女全開の笑顔で、
「フフフ。バッチリだった。ありがとう、ゆうすけ君。」
「どーいたしまして、まぁウマくいくって、分かってたけどなぁ…古代エジプトの王妃様っ。」
「ハイッ!?」
「あーロマン変態オタクだから、ほっといてやって。」
りゅうちゃんが口を挟み、すかさず俺は、
「誰が変態じゃい!」
「キャハハ。」
「あははは。」
昨日と同じ夕暮れで、静けさでなく騒めきがあり、賑わいまくって俺達は笑った。
目を瞑って想像したら、あんなの結ばれた恋物語が頭に浮かび上がる。
「お帰り、きき。」
「何?家の前なんかで…待ち伏せ?」
「…うん。たまにはね、って私の家も隣りだし。」
「…そうだけど、意味わかんねー日本語、なんだよソレ。プッ。じゃあな。」
家に入ろうとした、ききの腕をパシッと掴んだ。
「待って…。」
『テンパるな 私!!ドキドキドキドキ…。』
「えっ!?あっナニ?」
「あの、これ読んでっ…。」
そう言って、封筒をききに押しつけて、タタタと小走りで自分家(じぶんち)の玄関までの行き、
「読んだらすぐ、連絡ちょうだいよね。バカッ!」
バタン。
そう言って家に入って、その場にしゃがみ込んだ。
ドキドキドキドキ…。
私は、赤面しまくってる顔を、両手で覆うように、
『キャーッ。恥ずかしい、心臓の音、止んでくれないんだけど…。しかも最後のセリフが[バカッ!]ってガキじゃああるまいし…。
なんでこーききの前では素直になれないの~。』
最初のコメントを投稿しよう!