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橙side
じーっと宇野ちゃんのことを見つめていた與が
「実彩子~~!」
って呼びながら手を振った。
それに宇野ちゃんも微笑みながら応える。
…もしかしたら ふたりは付き合ってるのかもしれない。
そう思うと胸がズキッとする。
「これ実彩子 来んでよかったわ!」
(與…何回 実彩子って呼んだら気が済むんだよ)
イライラしながら次のところに進もうとした。
…のに。
「お前、何回 実彩子って呼ぶんだよ!笑」
「好きなの?笑」
口々に言うメンバーの姿に
やっぱり與は宇野ちゃんを好きなのかもしれない
という焦りが募り
おもわず足を止めて與を見た。
與の視線の先には、宇野ちゃん。
宇野ちゃんの視線の先には、與。
ふたりは困った顔で微笑み合っていた。
その姿はお互いにそっくりで
俺の出る幕なんて無いことを
見せつけられたようだった。
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