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************* 「うわぁ……」 目の前の絶景に言葉を失った。 「どうよ?」 声に振り向くとどや顔の先輩が隣に並んだ。 「俺のとっておきの場所。へこんだ時によく来るんだ。……元気でたか?」 昨日の事を気にしていたのか、先輩は景色に目を向けたまま言った。 「はい。ありがとうございます。もう大丈夫です」 「そっか。良かった」 にっこりと笑う彼の横顔を見てから、眼前眼下に広がる景色に視線を移す。 「……奥さんってどんな方ですか?」 「え?」 隣に並び景色を見ている先輩の左手に視線を向けると、彼はそれを隠すように腕を組んだ。
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