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「……ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ。三城はなにも悪いことしてないだろ?前に進まなきゃな」
先輩はうーんと伸びをすると指から指輪を外ししばらく眺めた。そしてそれを右手に握りしめると昔と同じように大きく振りかぶり……
腕を振り切りそれを投げた。
指輪は一瞬キラッと光って消えてしまった。
隣で絶句しているあたしに彼はスッキリしたような顔で笑った。
「心機一転頑張るよ。いつまでこっちにいる?」
「明後日……」
「そっか」
なんとなく言葉が切れ沈黙が訪れた。
「仕込みあるし……、帰るか」
それに頷き彼について歩き出す。
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