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「――そんで今日は?」
翌日、二日続けて店に来たあたしを先輩は多少呆れた表情で話しかけてきた。
「いや、別に。これといった用がないし……」
「それだよ。それ」
彼は指でカウンターを叩く。
「大型連休中だぜ。特に用がないってあり得ないだろ。まさか流行りのこじらせ女子か?」
「違います」
「相手いるんだろ?だったら普通は旅行だろ。相手仕事?」
つい先日言われた言葉と元カレの顔が脳裏にフラッシュバックし言葉が止まった。
「やっぱいないんだろ?」
「い……いました」
嘘をついても仕方なかったので正直にそう言って、やけぎみにグラスへ口をつけた。
「いました?フラれたのか?」
図星をつかれ言葉に詰まった。
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