立ち位置2

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自己紹介は進むが… 正直、全員は覚えられん。 んっ? 自己紹介で話すから言わないって言ってたって? そら、2度も3度も言うのは嫌さ。 けど。 自己紹介で相手の名を覚えるのは別。 こんなに一遍に覚えられませんって。 でもな。 目立つヤツてぇのは、嫌でもな。 例えば… 委員長っ子とかな。 彼女の名前は[南風 翼(なんぷう つばさ)]って言うらしい。 まぁ… 委員長って呼ぶだろうけどさ。 有名モデルらしいアノ子。 ガラケーからアキナ様って呼ばれてた子な。 あの子は、上森 秋奈ってさ。 下の名を、その侭芸名ねぇ。 大丈夫なのか? そして… ガラケー事、矢上 凍夜。 スマホちゃん改め林 和美ちゃんね。 和美ちゃんは、秋奈ちゃんの友人みたいだな。 後? 知らん。 おいおい覚えるさ。 しかし… 後ろの住人組と婆ちゃんが大人しい。 っても… 響香姉さんに叱られている最中。 皆さんスルーで放置です。 しかし… 非常識人の中での唯一常識人。 苦労するよなぁ~ しかし… 婆ちゃんを叱りとばせる人って、稀有かもしんない。 そう言う意味で響香姉さんは、貴重な存在かもね。 自己紹介が終わり…休憩時間に。 するとだ。 何やら皆が此方へ。 ああ。 堅悟目当てか。 なんて思ってると… 「若竹君」 へっ? 「俺?」 思わず、自分を指差す。 声を掛けて来たのは、秋奈ちゃん。 無論、声にだすのは… 「上森さん。  何か用かな?」 そう。 凍夜曰わく、有名モデルのアキナ様ってな。 俺には関係無いが… 「さっき…  同じクラスメートだから普通に付き合えって言ってくれてありがとう」 嬉しそうにな。 「当たり前の事を言っただけだが?」 ったらな。 「ありがとぉ~ぅ。  そんな事言ってくれた人って初めてなの。  優しいのね」 「そうか?」 訳、分からん? でっ… いきなり… 続けてな。 「若竹君って彼女居るの」 ってな。 「いきなり、何を!」 ビックリしていると… 「俺もカズも、彼女居ない歴、年齢な」 「堅悟っ!」 何バラすぅっ! 「わぁっ!  良かったぁ~」 何がですか? 「若竹君。  好きです。  付き合って下さい」 へっ? はい? 「今…  なんと?」 「もぅ。  勇気出して言ったんですからね」 いや… 「なんで…  俺?」 有り得んだろぉぉぉっ!
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