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自己紹介は進むが…
正直、全員は覚えられん。
んっ?
自己紹介で話すから言わないって言ってたって?
そら、2度も3度も言うのは嫌さ。
けど。
自己紹介で相手の名を覚えるのは別。
こんなに一遍に覚えられませんって。
でもな。
目立つヤツてぇのは、嫌でもな。
例えば…
委員長っ子とかな。
彼女の名前は[南風 翼(なんぷう つばさ)]って言うらしい。
まぁ…
委員長って呼ぶだろうけどさ。
有名モデルらしいアノ子。
ガラケーからアキナ様って呼ばれてた子な。
あの子は、上森 秋奈ってさ。
下の名を、その侭芸名ねぇ。
大丈夫なのか?
そして…
ガラケー事、矢上 凍夜。
スマホちゃん改め林 和美ちゃんね。
和美ちゃんは、秋奈ちゃんの友人みたいだな。
後?
知らん。
おいおい覚えるさ。
しかし…
後ろの住人組と婆ちゃんが大人しい。
っても…
響香姉さんに叱られている最中。
皆さんスルーで放置です。
しかし…
非常識人の中での唯一常識人。
苦労するよなぁ~
しかし…
婆ちゃんを叱りとばせる人って、稀有かもしんない。
そう言う意味で響香姉さんは、貴重な存在かもね。
自己紹介が終わり…休憩時間に。
するとだ。
何やら皆が此方へ。
ああ。
堅悟目当てか。
なんて思ってると…
「若竹君」
へっ?
「俺?」
思わず、自分を指差す。
声を掛けて来たのは、秋奈ちゃん。
無論、声にだすのは…
「上森さん。
何か用かな?」
そう。
凍夜曰わく、有名モデルのアキナ様ってな。
俺には関係無いが…
「さっき…
同じクラスメートだから普通に付き合えって言ってくれてありがとう」
嬉しそうにな。
「当たり前の事を言っただけだが?」
ったらな。
「ありがとぉ~ぅ。
そんな事言ってくれた人って初めてなの。
優しいのね」
「そうか?」
訳、分からん?
でっ…
いきなり…
続けてな。
「若竹君って彼女居るの」
ってな。
「いきなり、何を!」
ビックリしていると…
「俺もカズも、彼女居ない歴、年齢な」
「堅悟っ!」
何バラすぅっ!
「わぁっ!
良かったぁ~」
何がですか?
「若竹君。
好きです。
付き合って下さい」
へっ?
はい?
「今…
なんと?」
「もぅ。
勇気出して言ったんですからね」
いや…
「なんで…
俺?」
有り得んだろぉぉぉっ!
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