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でぇ…
あれから数日経ち、俺はいち早く引っ越しね。
このアパートは婆ちゃんと爺ちゃんが不動産業を初めて最初に手に入れた物件。
風呂とトイレは共同。
水回りは一階のみってな。
一応、男女別々で風呂とトイレがな。
木造2階建てらしい。
建物は古いが手入れは行き届いているんだと。
自分達の原点を忘れない様に、死んだ爺ちゃんと残すって決めたんだってさ。
名前は『若竹荘』
俺の名前が『若竹 一弘(わかたけ かずひろ)』ってんだ。
無論、婆ちゃんの苗字も『若竹』だぞ。
婆ちゃん家が高校から近かったら…
いや。
あの豪邸は、かえって落ち着かないからヤダな。
っか…
もろ成金豪邸。
もうちょっと、何とかならなかった…んだろ~なぁ。
高校から遠いのが、かえって幸いか?
俺達が住んでいたコーポが、ギリギリ通学圏内。
『若竹荘』は高校から徒歩5分。
徒歩10分前後の場所に大学と女子大が、それぞれな。
そして…
兎に角、家賃が安い!
部屋は確かに6畳一間。
押入はあるが…
風呂、トイレ、洗面所が共同。
でもな。
家賃が朝晩の食事付で5万。
駐車場は無いけど、駐輪場はある。
無論トイレは水洗シャワートイレ。
風呂は5人は入れる湯船でジャグジーとジェットバス付。
シャワー付洗い場が3つ。
無論、男女それぞれでな。
そことキッチンは一昨年に改修したんだと。
爺ちゃんが亡くなった年でな。
爺ちゃんの遺言だったのだとか…
いやな。
入居率が下がってたのを気にしていたらしいんだわ。
しかし…
そこまで自分達の原点に拘るかねぇ。
荷物は既に梱包済み。
悪友の『守 堅悟(もり けんご)』の兄貴が、軽トラを出してくれてな。
休日なのに、有り難い事だよな。
っても…
姉き目当てって知ってけどさ。
相手にされて無いのに…健気だなぁ。
荷物的にはダンボール箱7箱程度。
着替えと勉強道具だな。
後はゲームと小説に漫画。
別に部活はやってなかったし…
ベッドやタンス、机は備え付け。
テレビと小型の冷蔵庫、エアコンは、婆ちゃんが用意してくれてるよ。
洗濯機は乾燥機付が3台、共用でな。
これは男女別では無いらしい。
困ったもんだ。
堅悟と堅悟の兄、俺で、荷物を降ろし軽トラへ。
んっ?
俺の家族?
自分達の荷造りに追われてますが…
なにか?
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