立ち位置2

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「じぁ、僕は席に戻るから」 そう告げて… 「アーちゃん?」 え~いっ! 離しなさいっ! 「アーちゃんは、自分の席で配布品の確認をして「大丈夫よ」 んっ? 「若竹君の席の隣の子が、アッキーと席を親切に替わってくれてるわよ。  サッサと席へ戻りなさいって」 おい、和美ちゃん? どゆこと? そんな親切は要らんっ! 知ってるか? 小さな親切、巨大なお世話ってな。 此処でゴネても無駄だ。 それは分かる。 分かるのだが… 納得できるかどうかは別だ。 いや… 納得できるかぁっ! でも… 席へ帰り、配布品を確認しないと… 「おい」 「なんだ?」 「なんだじゃ無い。  俺の教科書などの配布品は?」 そう。 俺の机の上は綺麗なもの。 全く何も乗って無いのだ。 「なんや?  アキナ様に見せて貰うんちゃうんか?」 って凍夜。 「をい」 「なんや?」 なんやじゃねぇっ! 「なんで、おまえが居る!」 「居っちゃ拙いんかいな。  キャー  いやらしぃ」 何を考えとる、何をっ! 「キサマの席はっ、向こうだろうがっ!」 全く、何を… んっ? 「林さん?  何で君も此処に居るのかな?」 2人は対角状の反対側の席だった筈… 何で、この席に? 「決まってるじゃない」 んっ? 「替わって貰ったのよ。  親友のアッキーがコッチに移ったんだから、当然でしょ」 何が当然なんだ? それより… 「俺の配布品、返せっ!」 「ったく…  怒鳴るなよ。  冗談の通じないヤツだなぁ」 そう告げて男子が… 「どなた?」 「んっ?  コイツが男子を先導してな。  戻すって約束でな。  面白そうだからな」 おい。 「堅悟…  おまえもグルか?」 ったく。 「失敬な。  静観していたと言ってくれたまえ」 「一緒だわいっ!」 全くぅ。 「でだ。  折角だが…  俺は貴様の席の上の配布品を貰うぞ」 「あ、ちょっと待てっ!」 「何で慌てる?  配布したばかりだ。  同じ品。  構わないよな?」 後ろで指を鳴らす、堅悟。 「要らん事せんで良いわっ!  何度、おまえの修羅場に巻き込まれたって思っとんのだっ!  この程度の野郎は瞬殺できるかんなっ!  言ってて悲しくなるわっ!」 「あ~  1回、2回…」 「数えんでええっ!」 結局、野郎の配布品を分捕り確認。 問題なし! なんで野郎は泣いてんだ? 嬉しいのかな?
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