立ち位置2

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教科書もキチンと確保。 鞄に収納ってな。 鞄? スポーツバッグだが… なにか? 委員長は既に教壇に戻っている。 俺達を見ているな。 視線が怖い。 無言の圧力ってか? しゃぁ無い。 鞄も持って前へ。 なんだか恨めしそうな視線を感じたが… 気のせいだろう。 俺達が前へ行くと… 「さて…  教科書が足りないなどの申告は無かったので、次に進みたい」 そう告げ、一旦、話を区切り皆を見回す委員長。 全員が委員長を注目。 「次は席替えだな。  今の侭か席替えを行うかだが…」 俺は空かさず告げる。 「席替え、希望」 したらな。 何故か、アーちゃんがショックを受ける。 なんだ? 「私が横に着たから?」 はぁ? 「なんで、そうなる?」 意味不明。 「違うのっ!」 なんで、ぱぁぁぁっとした笑顔に? 「お、おう?  デカ物の堅悟が真ん前だろ。  だから、前が見え難いんだよ。  だから席替えで、そこそこ黒板が見え易い場所にな」 ったらな。 「ふむ。  背が低き者の悩みと言う奴か…」 委員長… 「背が低き者って言うなやっ!」 失敬なっ! 「いやいや、若竹氏。  背が低く、全く痛痒を感じぬ者もおる。  それよりはマシと言うもの」 んっ? 委員長の視線の先… 凍夜か? 確かに、アイツは俺と同じ位の背だったが… んっ? 座っている凍夜… 背が伸びて無いか? 「座高が高いと、こう言う時に有利なのだな」 委員長がボソリと… へっ? 座高が高い? つまりだ… 胴長短そ… 「やぁだぁ~」 いや、アーちゃん? 笑いながら、バシバシと叩かないで下さいなっ! 周りからは、ふざけ合っている様に見えるかもな。 「では、若竹氏以外に席替えを望む者はいるか?  居たら挙手願いたいのだがな」 委員長が告げると、3分の2以上の生徒が挙手。 そんなに席替えしたいのね。 「では、席替えの方法だが…  くじ引きなどでは望んだ席へは座れないだろう。  先ずは、自分が望む席へと移動してくれたまえ」 委員長が、その様にな。 なので、皆で移動。 俺は窓側の前から2番目。 後ろに堅悟。 隣にアーちゃん。 アーちゃんの前に和美ちゃん。 アーちゃんの後ろに委員長。 俺の前には、小柄な男の子。 ショタっ子ってヤツか? 凍夜だが… 堅悟の後ろだ。 なんだか固まってないか、これ?
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