立ち位置2

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此処の学校は土足な訳で… 教室から廊下を経て直ぐに外へ。 他の教室は蛻の殻(モヌケノカラ)。 とうの昔に解散した様だな。 中庭を横切り裏門へ。 正門から出ると遠回りなのさ。 校内の人影は疎ら。 昼時に近い時間だからな。 本日は入学式と言う事もあり、上級生達は休みだ。 部活も行って無いな。 やるとしても、午後からだろう。 学食も閉まってるし、購買も開いて無い。 弁当を持って来るしか無い訳だ。 そうなると、部活で集まるのも昼飯がな。 だからだろう。 閑散って感じさ。 裏門を抜けると校門裏に駄菓子屋さん。 それを横目に移動だな。 新入生の何人かが、駄菓子屋で買い食い中。 凍夜を見掛けたけどスルーで。 道沿いにお好み焼き屋。 聖秀生で繁盛している様だな。 ソースの焼ける匂いが漂う。 腹が減って来たなぁ。 この先は腹減り高校生にとっては危険地帯。 独身男性の強い味方。 星ヶ岡食堂街。 B級グルメのオンパレードである。 若竹荘は、このトラップ地帯を乗り越えた先にある訳で… 困ったものです。 たこ焼き、焼きそば、お好み焼き… クレープ、ホットドッグ、コロッケ… カレーに牛丼、ピザ屋にパスタ屋。 節操が無いだろっ! 甘味処もな。 腹を抱えながらの移動。 ちょっと待て。 金はあるし… 食べて行っても… っか。 「おまえらさぁ。  飯、どうすんの?」 俺より、コイツらだよなぁ~ 「場所が分かったら、此方に引き返してたべるわよ」 そう和美ちゃんがな。 なら一緒に食べて移動した方が効率が良いな。 若竹荘で飯を用意している筈だから… 晩に回して貰うか。 「なら、一緒に喰うか?  今から、飯のキャンセル電話すっから」 そう告げてTEL。 近くのパスタ屋で着信音が鳴る。 タイムリーなヤツも… 何で響香姉さんがパスタ屋に居るだよっ! 思わずズッ転けたよ、俺はっ! 「何で此処に居るんですかぁっ!」 思わずな。 『「えっ!?  遊華から友達と一緒に帰ってるから、ご飯は食べて帰るって聞いたんだけど?」』 遊華総長かぁっ! っか… 響香ねえさん。 肉声が聞こえる距離で電話しないで下さい! ったく。
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