立ち位置2

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混んでいるが回転率が高いのか、あんまり待たされる事無く店内へ。 人数が多いので、2階の座敷へ通されたよ。 中華屋らしく回転テーブルだな。 堅悟が面白そうにテーブルを回す。 「お止めなさいよ。  もぅ」 すかさず委員長に嗜められてんな。 っか… んっ? 堅悟と委員長の位置… 異様に近くないか? まぁ… 俺とアーちゃんの位置もな。 指摘は自爆。 俺には自爆テロの趣味なんざぁ御座いません。 っか… 「上森さん?  ちょっと近いんですけど?」 いやね。 俺はコレでも健全な男子高校生な訳よ。 流石に、そんなに密着されたらな。 堅悟の方もか… いや。 俺達は草食系と言われているヤツらとは違うぞ。 けどな。 護一兄貴みたいにガッついている訳でもな。 女子とは普通に話していたし、ウブと言う訳でもな。 けど… 2人とも彼女はな。 何せ俺は堅悟と連んでただろ。 強面堅悟が人除け女除けってな。 校内でもだが… 寄って来るのは不良だけってな。 別に堅悟は何もしていない。 いないんだが… このガタイと強面。 生意気だとな。 いや。 堅悟は何もして無いんだぞ。 何処が生意気なんだと? それで呼び出しな。 大概は、俺に黙って行く。 気付いた時には終わってたってな。 軽く撃退する訳だが… そうするとだ。 他の不良からも狙われ始めたりな。 そんな感じで撃退を繰り返す訳よ。 そうなるとだ。 下校時なんかには待ち伏せなんてな。 俺も巻き込まれる訳よ。 ま、俺は動体視力ってヤツか? それが高いらしい。 家系的になのか、体も異様に柔らかくてな。 ついでに足も速いってな。 だから最初は避けて逃げるの専門でな。 けど… 門前の小僧じゃ無いんだが… その内に堅悟の動きを真似たりして… 知らん内に堅悟の助太刀位はできる様になってたよ。 こう言う環境だろ。 女子は教室以外では怖がってな。 だから彼女なんて出来る筈もな。 そんな俺達だ。 同い年の女の子に密着されたらなぁ。 いや。 俺は姉貴と静香が居たからな。 男兄弟だけの堅悟よりはマシだ。 可哀想に堅悟… 固まってんよ。 カチンコチンってな。 面白いから黙って見てっけどさ。 料理は、みんな冷麺のみ。 俺は大盛3辛。 堅悟は特盛り3辛だな。 ジュンさんは普通盛り7辛。 後の3人は普通盛り0辛だ。 こんなんでも個性が出るもんだな。
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