立ち位置2

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来た冷麺なんだが… 横長の深皿。 パスタの大盛を盛るのに使用される様な皿だな。 それに盛られて出て来た。 いやな。 麺が見えるから冷麺なんだろうな。 だが… どう見てもサラダじゃね? キュウリ、トマト、玉ねぎスライスにレタス、アスバラ。 クラゲかな。 他にも野菜がな。 チャーシューみたいなのも乗ってる。 麺は白い麺。 少し平麺ぽいかな。 兎に角だ。 食べて… いや、これ… サラダ。 いや、サラダ麺。 だけど… こりゃ美味いや。 麺をゾゾゾッってな。 同時に具材も。 シャキシャキなジャキジャキにだ。 麺のツルツルシコシコのモッチリって… 平麺だからか、口の中を滑らかにな。 具材と渾然一体と… しかもだ、しかも! クラゲのコリコリが合わさってくんだよ! 何してくれるっ! っか! 本当に六百円かよっ! 利益出てんのっ! いやぁ~ 夢中で食べちまったよ。 ああ、そうそう。 大盛は百円増し、特盛りは二百増しだかんな。 つかさぁ。 堅悟のは二人前だよな、それ。 こりゃ、ジュンさんに感謝だな。 こんなに美味い昼飯に大感激だぜ。 「ふぅ。  美味かったぁ~」 思わず声が出た。 「本当に美味かったな。  俺は味より量派だが…  ここの冷麺食ったら、量よりも味って思えるなぁ~」 堅悟が味を誉めるなんて珍しい。 基本、不味く無く量があれば満足なヤツだからなぁ。 けど… ちょっと悔しい。 俺が連れて行った店で、美味いって言った事がなかった堅悟なのに… 何だか負けた気分だ。 っと、そう言えば… 「これって3辛でしたよね?」 思わず確認。 だってなぁ。 思っていたみたいに辛く無かったんだよ。 いや。 逆にマイルドって感じでな。 確かに辛い事は辛いんだが… 刺激的な辛さじゃ無くてな。 これなら、もう少し辛くしても良かったかもな。 「ふふっ。  物足りない?」 ジュンさんがな。 頷くと… 「スープに騙されちょるんよ。  本当は凄く辛いんよ、これ。  けどスープが凄くマイルドじゃけぇ、辛く感じんのんよねぇ。  唐辛子は脂を燃焼させるゆ~けぇねぇ。  辛くしたらダイエットにも良いって人気なんゆねぇ。  野菜もタップリじゃしねぇ」 あや? アーちゃん達の目の色が変わった様な… なんだろ?
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