立ち位置2

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錆びたロボットの様に、ぎこちない動き。 っか… 委員長も堅悟の腕に抱き付いてますねぇ。 顔が真っ赤で虚ろな目になってる、堅悟。 おま、免疫無さ過ぎだろっ! 思わず委員長に訊いたね、俺は。 「委員長。  いや、南風さん」 「なにかしら?」 いや、いやにお淑やかだな。 おい。 「いやね。  堅悟の事をイヤに気に入った様だけど…  堅悟の何処が気に入ったのかなぁ~っとね」 ったら… マジな顔で、俺をジロリとね。 「若竹氏。  それは、どう言う意味だね?」 お~っと。 委員長の剣士モード発動ってか? 「堅悟は背は高いし、顔はごついだろ。  友人としてコイツが不良でなく、粗暴なヤツだと保証は出来るさ。  けどな、世間一般ではコイツを粗暴な不良扱いさ。  女の子は怖がって近寄らないんだよなぁ。  けど南風さんは違うだろ。  堅悟に近付いているよな。  っか、猛烈アタックに見えるんだが…  コイツさぁ。  女性に免疫が無い訳よ。  まさか、それを面白がってるとかじゃ無いよな」 流石に、そうだとしたら… 容認できんが… 「ふっ。  若竹君は堅悟さんを心配してるのですね?」 おろ? 委員長の剣士モードが解けた? 「ふふっ。  初めてお逢いした許婚に少々歯止めが利いて無かった様ですわ」 恥ずかしそうにな。 って!! 「「え、えぇぇっ!!」」 皆がハモる。 許婚って!? んっ? 「何で、おまえまで驚いとるんだ、堅悟っ!」 訳分からんからなっ! 「いや。  俺も初耳なんだが?」 へっ? 「ふふふぅっ。  東倭流の後継者候補には許婚が居るんです。  ただし、普通は東倭流後継者候補の方には許婚の事を明かされませんの。  例外は幾つか御座いますけれど…  許婚とされた者が東倭流後継者候補の方に出会い気に入った場合、許婚とされた者の判断で明かす事が出来るんですの。  私は[西のランボー]の噂は聞いてましたわ。  悪い噂もありましたけれど…  弱きを助け強きを挫く。  その様な噂もですね。  何より今日お会いして…  その人柄に惹かれましたの。  その決め手は、アナタ。  若竹君ですわ。  アナタの様な方をご友人として得ている。  それも大きな要因ですのよ」 へっ? 「俺?」 思わず、自分を指差す。 俺… 何かしたっけか?
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