拝啓

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拝啓、お母さんへ、 新居に越して初めて手紙を書かせてもらいました。 背景、お父さんへ 家事の新鮮さでお母さんのことばかり思い出してすっかり存在を忘れてました。 拝啓、先輩先生上司の皆様どうかご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。 背景、そんなどうでもいい皆様、 どうか私より無能で踏み台にちょうどいい高さでいて下さい。 拝啓、さっき話せた同僚へ、 何考えるてるか知らないけど仲良くする振りをさせて貰います。 背景、仲の良かった友達へ、 どうか変わらないで、何考えてるかわからなかったけどまたバカなことをしたいので昔のままでいて下さい。 拝啓、これから出会うはずの恋人さんへ、 性格は良いはずなので、せめて見た目だけは誰とも被らないように磨いて待っています。 背景、首のない妄想の恋人様、 これからも沢山裏切りますのでずっと「好きだ」と呟いていて下さい。あなたほど永遠に見る続けることのできる体はありません。 拝啓、高校生の私へ こうして働くことは出来ました。これでなんとかなるといいです。 背景、小学生の私へ 夢を叶えるどころか忘れてごめんなさい。 拝啓、浮かれて頭の溶けそうな春へ、 花粉症になりますからいつまでもこの気持ちにさせて下さい。 背景、未だ考えもしてない夏へ、 私は無事にあなたを迎えることができるのでしょうか。 そんなわけで はいけい、私様へ、 今年こそは余計なことをしないでください。
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