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平安。争いと言えば遠回しな罵り合いしかない、まさに口がまわったものが勝つ時代。 お父様を始め貴族はみんなそんな口車の材料を増やすためにこうして自分の娘をもっと上の貴族に与えるのが、 私たちは人形として使われるのが人生として当たり前なのだ。 「ほれ家族なのだからもっと位を上げろ、金を出せ。」 こういう為の材料をとして生まれるのだ。 だから出来るだけ娘は男を釣れるものが良かった。顔が良くて、優しくて、より良い教養と情緒が分かるけど男よりバカなやつ。 私の姉様は3人いたが私を除くとみんなその理想形だった。 「垣根から入った痩せた獣みたいで気味が悪い」 「歌はすぐ読めるが暗すぎる。」 お父様が何とか作ったお見合いの場では何時もそんなことばかりを遠回しに言われて、苛立つお父様に何回も謝るしかなかった。
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