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そんな私だからか、
私が好んでいた景観には何時も『終わり』がどこかに潜んでいた。
彩られている花々の香りや華やかさを歌う姉様達の横で、朽ちて色の褪せた花が風で消える様を愛でた。
鳥の声を聞いた日には季節の終わりを感じて、今年も何もできなかった自分への自己嫌悪でいっぱいになった。
生まれた意味がない。
早く消えたい。
「あはは、よくわかりますその気持ち!」
自分の家が没落したために侍女となったさとりは、そんな私に自分を重ねたのかずっとついて来た。
気のいい侍女の振りをした、自殺志願者。楽しそうに自分の不幸さを話しながら私に哀れみの目をける彼女をそう呼んで、自分と一緒に消したかった。
そうして、無駄に生きていたら先ほど三人目の姉様がお嫁に行った。
お父様が大物大臣が釣れるまで粘りに粘った結果である。
私が若さだけを売りに、何度も失敗して5年が経っていた。
「お燐様、もう貴女は…」
「そうね、死んだ方が良いわね。」
半分本気で冗談を言ったが、誰もそれに返事をしない。
さとりがにこりと笑うだけだった。
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