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セントミシェルヴア女学院は、まさに、お嬢様のお嬢様によるお嬢様だけの名門お嬢様学校である。
どこをとっても、どこを見ても、どこを聞いてもお嬢様ばかりなのである。
この文章を読んでいると、「どれだけお嬢様が出てくるんだ!!」とおしかりを受けそうであるのだが、本当のことなので仕方がない。
そんな超名門お嬢様学校の高等部2年である、我らが『天上院紫子』様は、優雅に昼食をとっていた。
どこのお城かと思わんばかりの豪華なシャンデリアがキラキラと輝いている。
「今日のぉ、お料理もとてもおいしゅうございますわよぉ。」
紫子は後ろに控えているシェフに向かってにっこりと笑顔でいった。
シェフも微笑み、丁寧にお辞儀をする。
音もなく一人の執事が紫子に近づき
「紫子様、ご伝言です。」
一枚のメモを紫子に見せた。
すると、紫子は無言のままうなずき、ナイフとフォークを上品に置く。
メモを受け取り少し顔を曇らせる。
「私ぃ、急用ができましたので失礼いたしますのぉ。とてもおいしいお料理でございましたわぁ。ありがとうございますのぉ。」
と優雅に立ち上がり食堂を出て行った。
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