1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
私の一族は何か本当に不思議で変な一族であると思う。
テレビドラマにある様に何か雑談をして大笑いすると言う事が無い。
それぞれ何か自分の目的を抱えて居て、それが中々実現不可能な予感のする様な目的であるが、「思い込んだら命がけ」の性格で「マァマァ」と諦められないのである。
それで毎日が「悪戦苦闘」で、面白い事があってもアハハと「虚心坦懐」に笑う事が出来ない訳である。
例えば私であるが、幼い頃から「私が一生を掛けて打ち込める何か」を探し求めて来た。
青春時代それが見つからぬ儘に「妻となり、母となるのが近道」と思い、二人の娘の母となった。
自分の夢の代わりに娘の夢に掛けて、只管蓄財に打ち込んだ。
老齢に入り、何とか娘二人も夫々の道に入り、暇らしきものが出来てから、小学生の時から幾らか得意で好きだった「作文」を見つけた。
最初は大それた夢、「芥川賞作家」など想像した。
やがてそれは今まで「猪武者」で蓄財しか努力しなかった人生の果ての私には何の材料も無いので無理と悟った。
子育て・孫育てで得た知識とか、社会現象とかに私なりの感想を述べる所謂「エッセイ」随筆にしがみついた。
生来の悪筆で文字を書く事が苦手の私は、パソコンの到来でワ-ドで美しい文字で文章が書ける様になり、さらに「無料コミック・小説投稿」と言う技術を覚えた。
お蔭で88歳の現在「パソコン様」の親友のお蔭で「井戸端会議」の相手など居なくても不自由を感じない。
だがパソコン操作は老人の頭脳では中々に困難を極める。
大学生の孫にアルバイトで教えて貰い何とか近頃自分で操作出来る様になった。
判らないとスッキリしない、ドラマにも打ち込め無い。
家族とも雑談して笑えない、夫はさぞ寂しい事だろう・・・。
最初のコメントを投稿しよう!