何時も心配で悩んでいる事、我が一族には笑いが無いと言う事

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 私は此の孫Hに対する異常な情愛が生んだ、自ら招いた悩みだと思って居る。決して誰の所為でも無い、「己が罪」と自覚するからには彼の人間性を信じる事に徹するべく88歳の今日、誠に辛いノルマを自分に架している。  「法律を学ぶ」彼が「板子1枚下は地獄」と言う様な自分の家で、あの負け嫌いな男がプライドを捨てて生きて居られるとは思えない。  究極の処、人間誰しもが持つ「死んでなるものか」と言う崖っぷちの頑張りに期待する他は無いのだ。  次男孫のTは兄貴と遅れる事9年下に生まれた。  私達大人は此の「学習能力」はまるでゼロに近い、然し誠に明るく、素直な彼に「溺れかけた人が流れる藁」に縋る様な期待を掛けた。  与えられた学びの場には何を置いても行く、勿論中学のテニスの部活はポジションがあたえられているから、朝7時過ぎ出て行って夕方6時過ぎまで学校に居る。  処が3年生になり、愈々「受験」と言う立場になった現在、生活が「怠惰」になり、その所為か学校を「病欠」する事が多くなった。  全く「ブル-タス お前もか」の思いに大人は打ちのめされた思いである。  然しこれも「高々反抗期のガキに好い大人が振り回されてなるか」と割り切る他ないんだ・・・・。今又黙々と登校して居る彼もそれなりに悩んで居るのだ。  残るは次女の夫МSである。  この人は唯一の血のつながらない「他人」である。  然し私(執筆者)であるМバアさんは、血族の誰よりも彼が一番雑談、そして 「悩み事」の訴えを聞いてくれる人物なのである。  勿論音楽を愛する優しさもあり、何よりも他人だから、私の心に柔らかく響く会話を選んでくれる。  誰でも心にグサリと来る事より、柔らかく撫でる様な言葉を聞きたい物だ。  これが此のエッセイの主題である「変な一族 7人」の概要である。
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