第二章

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反応を見せない夜。 「我々の誤解で、君に大きな迷惑を与えてしまった。本当に申し訳無かった」 「近藤さん」 夜が呼び掛ければ、近藤は頭を上げて夜を見た。 「私は……身分も、性別も、何もかも隠して皆に偽っていた、ただの小娘です。そんな私に頭を下げるのですか?」 「ああ」 近藤は目を伏せながら言う。 「完全に此方に非があるのだから。それに……女の身でありながら、それほどの実力。そして君の容姿も、何か理由があるのだろう?」 「それを聞かせてもらわないことには、話は進まねぇな」 「土方!」 夜は微かに眉を寄せた。 それは、不快に感じたからではなく。 (土方?) 違和感を抱いたから。 以前は“歳”と呼んでいた筈だ。 何かあったのかと疑問に思う。 だが、二人を見てみても関係が悪化しているようには見えない。 ただ、呼び方が変わっただけで、それ以外の異変はないのだ。 (ま、いいか……) この事については一旦頭から離しておくことにして、夜は口を開いた。
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