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疑っているという態度を隠そうともせず、夜への尋問を続けた。
「仮にその話が本当だとして、此処へ来た目的は? 何故実力や本性を隠していた?」
「そうですねぇ。先に二つ目の質問ですが……」
クスリと微笑んだ夜は全員を見回す。
「隠した方が入りやすかったからですよ」
「どういうこと?」
「ふふ、すぐに仲良くなれたでしょう?」
(特に貴方とは)
目が合えば、沖田のその真珠のような真っ黒な瞳が少し揺れた。
その視線を遮るように。
「てめぇ、間者か……!」
立ち上がった土方が鯉口を切って夜を睨み付ける。
「こんなところで抜く気ですか?」
「……」
夜の質問に答える気は無いらしい。
一触即発の雰囲気が漂うが、夜の中で焦りはなかった。
「何か勘違いしているようですが、私は貴方達に危害を加える気は一切ありません」
寧ろ、と続けたところで一旦言葉を切る。
「新撰組を救え」
「は?」
「その命令の下に、私は今此処にいます」
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