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彼と出会ったのは、大学に入学してからだった。
サークルの、2つ上の先輩。
第一印象は、「爽やか」。猫っ毛のように柔らかい毛をワックスで整えた黒髪が、風になびいていたから。
笑った顔には、どことなく少年のような面影があり、長身の体型とのギャップがよかった。
性格はマイペース。よく喋る方ではないけど、
「理玖、」
「理玖先輩っ」
「りーくー!」
こんな風に、いつも、いろんな人から名前を呼ばれる先輩は、サークルの人気者だった。
ひそかに私も憧れていて、飲み会のとき、隣に座ってみたりもした。
話し掛ければ、応える。
ふつーの、先輩後輩の関係だった。
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