2人が本棚に入れています
本棚に追加
バイトは、とても楽しかった。
フロアリーダーの相原さんは、既婚者でパートだ、とか
バイトは私と先輩の他に、5人いて、皆さん話しやすくて優しい方だ、とか
50代マスターは、とても気さくな人で、マスターと話したいために、通う常連さんもけっこういる、とか、
ここ数週間で知ることも多かった。
理玖先輩は、頼もしくて、仕事に対する責任感も強くて、
私のミスも、「大丈夫。」と言って何度カバーしてもらったことか。
そんな先輩に迷惑をかけないように、一生懸命がんばった。
仕事を覚えるのは大変だったけれど、人と関わり合うこのバイトに、やり甲斐を感じていた。
そしてなにより…、
理玖先輩とシフトが被ったときは、帰りに、ラーメンに連れて行ってもらうことも、あったり。
「腹減ったー、ラーメン!」
これが決まり文句。
先輩は大のラーメン好きらしく、よく1人で、いろいろ食べに行くらしい。
「私も、ラーメン好きなので!」
と、最初に、行きたいアピールをして以来、
「俺、今日ラーメンだけど行く?」
と、先輩が行く日に、誘ってもらうことがあった。
ちなみに、ラーメン以外は行ったこと、ないし、
バイトが終われば、先輩は、マイペースになり、あまり喋らないから、沈黙も多かったりする。
けれど、こうして隣を歩けることが、くすぐったくて、幸せで。
ただの、話をするだけの先輩・後輩から、
ラーメンを食べに行く仲、になれたのが嬉しくて、
“もっと、近くにいたい”と欲張りな想いが出てきた。
やっぱり、私は、先輩が
好き。
1番になれないことはわかっていたけど、せめて、後半として傍にいたい、と願った。
最初のコメントを投稿しよう!