七月 長い時間とともにくる暑さ

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「こーいちっ、これおいしいっ!」  キラキラした瞳でこちらを見つめる。空になったグラスを差し出される。空からグラスを受け取り、メロンシロップを注ぐ。氷を入れ、炭酸水を注ぐ。そしてかき混ぜる。 「はい、どうぞ」 「ありがとうっ、こーいちっ!」  鮮やかな緑色のソーダをごくごくと飲む空。そんなに気に行ったのだろうか。 「おい、そんなに飲むとっ」 「んくっ、なに?こーいち、けぷっ?!」  空の口から空気が漏れた。つまるところげっぷだ。 「ほら言わんこっちゃない」 「こーいち…どういうこと?」 「炭酸飲料飲みすぎるとこうなるんだよ」  そう伝えると空はおとなしくジュースをゆっくりと飲んだ。ただ普通にジュースを買っても面白くないと思った。そこで席を離れる。  空を保護してからお世話になりつつある某有名料理レシピサイトにアクセスする。そしてソーダと検索する。するとアルコール交じりのレシピもたくさんあったが、普通のドリンクも見つかった。比較的簡単にものが手に入り、簡単に作れるものもすぐに見つかった。 「…メロンシロップにブルーシロップか…それにアイスに…うん、明日買おうか」  このあと買うものを決めてメモをまとめた。 「こーいち?」 「明日はほかのドリンクも試してみるぞ」 「ほんとっ!?そら、たのしみ!」  空が満面の笑みを浮かべ喜んだ。こんな彼女にもいい勉強になったはずだ。それとげっぷを出すことは嫌がっているようなので今度は飲みすぎないようにするといった。
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