Memento mori

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彼女の視線の先にあるもの――それは、睨みあう黒斗と大神だった。 「あ、兄貴と……えーと……大神……さん?」 ゴゴゴゴゴ、という擬音が見えそうなほど凄まじい迫力を醸(かも)し出す2人を見た玲二の顔が引きつる。 「……もしかして、オレ……悪いタイミングで来ちゃった?」 「もしかしなくても そうや」 「ヒイイイイ……!」 冷や汗がブワッと出てくる玲二。 「……………………」 「……………………」 黒斗と大神は互いに何も言わない。 だが、その無言が場の空気を重くし、さらに迫力を増していた。 「虎があー! 龍があー! 睨みあってるー!」 威圧と迫力のせいか、2人の背後に虎と龍の幻が見え、慌てふためく玲二。
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