Memento mori

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「わ……我が生涯に……悔いなし…………ガクッ」 「って、昇天すなーっ! あーもう、鼻血もダラダラと!」 「……ふん、いい気味だ」 一部始終を見ていた大神が鼻を鳴らしながら呟く。 「僕と月影が同レベルと言った罰だ。あれは本当に心外だった」 「……奇遇だな。俺もお前のような低能と一緒にされて腹立だしく思っていた所だ」 再び雷の音と共にはしる亀裂。 無表情ながらも瞳に強い憎悪の炎を宿す黒斗。 ニヤニヤしながら嘲(あざけ)るように見下す大神。 まさに一触即発の状態だ。 しかし、佐々木は説教に夢中で気づいていない。 「あーにーきーっ! 説教終わったーっ!?」 ガラガラと扉を開き、この場に不釣り合いな能天気な声を発しながら玲二が現れた。 その手には、何やら大きな箱が抱えられている。 「あっ、レイちゃん……」 内河の鼻にティッシュを突っ込んで横たわらせた鈴は、玲二に近づく。 「鈴ちゃん! お母さんの説教は終わった?」 「い、いや……ていうか説教よりも面倒なことになっとる……」 「へっ?」 間の抜けた声を出しながら、玲二は鈴の視線を追う。
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