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馬車が止まり、それをあやつっていた執事と思える燕尾服の男性が席を立つと、豪華な装飾品が取り付けられた屋根付きの荷台へと行くと、そこの扉を開けた。
「フム…君はリョーヘイ・コイズミか?」
「え、あ…そう、だけど?」
荷台から降りる人物は、何処かの貴族を思わせる豪華なドレス姿で、銀髪の碧眼。更にはスタイル抜群。
丁寧な日本語ではあるが、その物腰や表情は外人のソレであった。
「おぉ!祖国から15時間と39分掛けて来た甲斐があった!セバス」
「はい。エヴァ様」
亮平の前で1枚の英文化された用紙をセバスと呼ばれた人物が取り出すと、その用紙を亮平に見せる。
「亮平様、手前共はバスティン王国より来日した者でございます。此方の項目を…」
「え?」
セバスが指差す項目を見ると、そこには音信不通の両親の名前が記されていた。
「我が名はエヴァ。エヴァ・フランチェ・ゴ・ローシュ。キミの嫁になる者だ」
「…………はい?」
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