やけど

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でも、瀬戸くんに彼女ができて、 きっぱり諦めた。 「ふーん。 瀬戸は友達で、 俺は熨斗つけて人にやってしまいたい存在?」 「あれは……」   冗談だよ、その言葉を飲み込んだ。 先輩にいったのは本心じゃない。 でも、私の本心を知られてしまうことは怖い。 「だったら」   後ろを向かされたと思ったら、唇を奪われた。 なにが起こったのかわからなくて、 目を閉じることもできなかった。 「……キスするときは、めー閉じろよ、潤」   ……名前で呼ばれて、血液が沸騰した。 背中が棚をずるずると滑り、 その場にペタリと座り込んだ。 「な、な、なんで、こんな……」   なぜか涙がぽろぽろと零れ落ちる。 自分でも、なんで泣いてるのかわからない。 ただただ、感情が制御できなくて、 涙が零れ落ちる。 「……わりぃ」
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