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言葉の先には狼狽えてる嘉納くんの顔。
なぜか冷静に、
あの嘉納くんがこんな顔するんだ、
とか思ってた。
「泣くとは思わなかったんだ」
ふわり。
嘉納くんの香水の匂い。
「……あ、わりぃ。こんなん嫌だよな」
離れそうになった嘉納くんの腕を、掴む。
「……嫌じゃない。嫌じゃない、から」
「田上?」
「……なんで」
嘉納くんの肩に顔を埋める。
……顔を見たい。でも、怖い。
「あー、俺、
おまえが瀬戸を見てたのと同じくらい、
おまえのこと見てた」
「……うん」
「だからー、そういうこと」
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