1人が本棚に入れています
本棚に追加
そよそよと春の夜風が吹く夜…
第3区は静かだ。
昼間はで店やらなんやらで賑やかだったと言うのに。
夜なると、一歩も外に出ない。
"ヤバいぞ"!!
"速く逃げる準備しろ"!
"奴らに見つかったら死ぬぞ"!!
その屋敷の上にはこの雰囲気に似合わず寝ている少女と楽しそうに笑っている男がいた。
男は隣に寝ている少女の顔を見てため息をつく。
「ラーラさん起きて下さい。いつまで寝ているのですか?仕事を速く終わらせましょ。」
すると横でゴソゴソと目を擦りながら少女は起きた。
「ふぁ?…また寝ちゃった…ごめんねアゲハ」
綺麗でこんな可愛い笑顔の彼女がこれから人を殺そうなんて想像が出来るであろうか。
「すみません。ここ何日か仕事が立て続けで疲れているでしょうに…本当はまだ可愛い寝顔を見ていたかったんですが仕事です」
「大丈夫…少し寝れたから…」
そのかわりって言うのもなんですが、そう言ってポケットをガサゴソあさって何かを探しているアゲハ。
「あ!ありました♪」
私の目線に合わせて少しかがむと、目の前に棒付きのキャンディーをくれた。
「はい。確かキャンディー好きでしたよね?」
「わぁ!!ありがとアゲハ!!キャンディー大好き」
先程までとは違い目をキラキラさせて舐めている。
最初のコメントを投稿しよう!