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「ハハ、ちょっと脅しすぎたな。
お前、そんなに怯えるなよ。傷つくだろ?」
「…もう、脅かさないでくださいよっ!」
いつもの口調に戻った主任に笑い飛ばすように言われて、ホッとした私は、
主任にいつものように返した。
「まぁ、俺はお前みたいなガキ臭いのには興味ないからいいけど。
男と仕事してるってことは忘れるな。俺からの忠告。いいな?」
「はい…」
その後、言い聞かせるように念押しされて素直に頷くと、頭を優しくポンと撫でられた。
「じゃぁな。今日はゆっくり休めよ?」
「はい。わかりました」
「おっ、やけに素直だな。お疲れ。お休み」
「お疲れさまです。お休みなさい」
さっきまでの、
私の知らない主任の姿は、もうどこにもなくて、
いつもと変わらない主任と話しを少し交わしてから、車を降りた私はアパートの入り口へと向かって歩いた。
主任が、いつもと違ってたのはどうしてだったんだろうって思いながら。
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