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いつも通り、
エレベーターへ真っ直ぐ向かっていると、長身の後ろ姿が視界に入ってきた。
……思わず、
駆け寄って話しかけたい衝動に駆られたけど…、
直ぐにフッと視界から消えてしまった。
ちょうど、エレベーターに乗り込むところだったからだ。
一週間、
逢えなかっただけなのに、
後ろ姿を見ただけなのに、
どうして、こんなに嬉しいんだろう…。
どうして、こんなに好きになっちゃったんだろう……。
でも、その後ろ姿までの距離が私には遠すぎて、
まるで、見えない大きな壁に阻まれてるような気がしてしまう。
この距離は、いつか縮まる時がくるんだろうか。
ふと、そんなことを思ってしまう自分が不憫に思えてきた。
私だけの、
一方通行の想いでしかないのに……。
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