*2*

3/20
1293人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
*松岡直樹side* 「高岡芽依、もう帰れ。明日でいいから。 おい、聞いてるのか?」 午後11時が過ぎて、 何度呼んでも返事が返ってこないため、立ち上がって向いのデスクを覗き込んで見ると…、 デスクに突っ伏して、寝落ちしてる高岡芽依の姿があった。 前から、 色々…文句を言う割りには、仕事はちゃんとするヤツだった。 根が真面目なんだろうな。少し頑固なところもあるし。嘘がつけない正直なところもある。 そういうところが品質管理に向いてると思った。 だから、なんとかコイツを一人前の品質管理にしてやりたくて、少し厳しくしてしまう。 でもそれは、上司としての建前で、本心じゃない。 いつからか俺は、気づいたら、コイツのことを好きになっていた。 初めは、歳も7つも下だし、妹のような存在だったかもしれない。 俺自身も、ずっと、そうだと思っていた。 そうだと思うことで、仕事に支障をきたさないようにしてきた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!