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*松岡直樹side*
「高岡芽依、もう帰れ。明日でいいから。
おい、聞いてるのか?」
午後11時が過ぎて、
何度呼んでも返事が返ってこないため、立ち上がって向いのデスクを覗き込んで見ると…、
デスクに突っ伏して、寝落ちしてる高岡芽依の姿があった。
前から、
色々…文句を言う割りには、仕事はちゃんとするヤツだった。
根が真面目なんだろうな。少し頑固なところもあるし。嘘がつけない正直なところもある。
そういうところが品質管理に向いてると思った。
だから、なんとかコイツを一人前の品質管理にしてやりたくて、少し厳しくしてしまう。
でもそれは、上司としての建前で、本心じゃない。
いつからか俺は、気づいたら、コイツのことを好きになっていた。
初めは、歳も7つも下だし、妹のような存在だったかもしれない。
俺自身も、ずっと、そうだと思っていた。
そうだと思うことで、仕事に支障をきたさないようにしてきた。
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