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駐車場まで来ると、
先に運転席に乗り込んで、助手席のドアを開けて私に乗るように促してくる主任は、
さっきと変わらず、凄く機嫌が悪くて、怒った表情をしたままだ。
いつもより、
口数も少なく感じるし…。
どうしたんだろう。
私が寝ちゃうまでは、いつもと変わらない様子だったのに。
私、何か怒らせるようなことしちゃったのかなぁ。
「…主任、これ、ありがとうございます…」
「ん?あぁ、適当に置いといていいから」
助手席に座りながら、
恐る恐る、上着のお礼を言った私にチラッと視線だけ向けると、
主任からは、抑揚のない冷たい声が返ってきた。
主任がどうしてそんなに怒ってるのかが解らなくて、どうしたらいいのか解らなくなってしまう。
もし、仕事のことなんだとしたら、いつも直ぐに言ってくれるのに。
今までも、そうやって、指導してくれていたのに…。
入社して半年以上経つのに、私が思った以上の仕事ができないからかな。
だとしても、今までみたいに、はっきりと言って欲しい。
こんなの、松岡主任らしくないよ。
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