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「……え?」
「…俺らしいって、どんなだよ?」
なんて言ったのか聞き返した私に、主任から返ってきたのは、
今まで…一度も聞いたことのないような冷たい声だった。
「…,主任?」
「俺のこと、知りもしねえで、いい加減なこと言うな!」
今度は、怒鳴るような声で言われて、
怖くて…ビクッと肩が跳ね上がってしまった。
「……すみません。私、勝手なこと言って…」
でも、
私の謝罪の声を聞いた途端に、
主任が急に我にかえったように、いつものような優しい口調に戻って、
「悪い。気が立ってただけだから。
そんな顔すんな。怖がらせて悪かった…ごめんな…」
私の頭を、少し乱暴に撫でまわし始めた。
「ちょっと、主任、髪がぐしゃぐしゃになるじゃないですかー!もう、やめて下さいってぇ」
「ウルサイ。ストレス発散だ!
お前には、いつも手を焼いてるからな、おとなしく黙って発散させろ」
やっと、いつもの主任に戻ってホッとしたけど…、何となく違和感を感じてしまった。
けど、最近、残業も続いているし、色々…仕事でストレスを抱えているんだろうなきっと。
そう考えると、私は漸く納得することができた。
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