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「……ごめん。お茶淹れるな…」 海翔さんはいつもと同じで無表情だから感情は読み取れないけど、シュンと落ち込んだように見えてしまった。 手も力なく引っ込めて、 私から視線を逸らせて背中を向け、 部屋の隅に備え付けられた流し台まで歩いていって、黙々とお茶の用意を始めちゃったし。 「…海翔さん」 なんか、 そんな海翔さんを見てるのが嫌で、駆け寄って後ろから抱きついてしまった。 「ん?芽依、どうした?」 心配そうに聞いてくる海翔さんの声が頭上から聞こえてくる。 だって、海翔さんが悲しんでるように見えちゃったから、私まで悲しくなったんだもん。 「怒っちゃってごめんなさい。恥ずかしかっただけだから。本当に怒たんじゃないから」 「…そうか」 前にも思ったけど、 海翔さんって、本当に不器用だね? もっと、感情を表に出せばいいのに。 海翔さんを見ていると、 無理して感情を抑え込んでいるように見える時がある。 どれぐらい傍に居たら全部見せてもらえるのかな? 私は、海翔さんに抱きついたまま直ぐに離れることができなかった。
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