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昼間画像で確認したときに腹に仔犬が3頭居るということは解っていたが、 最後の1頭がどうも先に生まれた2頭よりも大きく成長し過ぎてるようだ。 2頭目の仔犬が生まれてから随分と時間が経っているのに、 頭が見えるだけで変化がない。 きっと大き過ぎて産道を通れないんだろう。 「芽依、悪い。そこのタオル取ってくれるか?」 「あ、はい」 「ありがと、ちょっと抱いといてくれるか。親が動くと危ないから」 芽依にタオルで包んだ2頭の仔犬を差し出すと、 「え?怖いよ。こんなにちっちゃいのに潰しちゃいそうだよ」 思った通り、おっかなびっくりって感じで、戸惑っている。 まぁ、当然だろうな……。 「大丈夫だ。潰れたりしない。 けど、落とすなよ?母親が見てるからな」 そう言って渡すと、恐る恐る広げた両手でソッと大事そうに包み込んだ。 「うわぁ、ちっちゃ~い。凄くあったかいし」 ハシャグ芽依を見ていると、 獣医の勉強を始めた頃の自分と重なって、 俺にも、そんな頃があったなぁ…なんて懐かしい記憶が甦ってきた。 それと一緒に、苦い記憶までも……。 もう随分経つっていうのに。 俺は何も思い出さなかったことにして、それらを心の片隅にそっと封じ込めた。 「ちょっとごめんなぁ、すぐに楽にしてやるからな」 静かにゲージの傍に座り込み、 最後の仔犬の頭と脚をゆっくりと母犬の腹の方へ丸め込むようにして引き出した。 特に大きな問題もなく無事に3頭をとりあげることができた。
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