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*芽依side* 主任によってグチャグチャにされてしまった髪を直していると、 ふうっ…と溜め息が漏れてしまった。 『ーー男ができたんだろ?』 ……さっき言われた言葉が浮かんでくる。 そんなんじゃないのに……。 それに、 フラれるもなにも、 好きになってもらえた訳じゃないんだもん。 自分の髪に指を通していると、 海翔さんに髪を優しく撫でてもらってた暖かい感触を思い出してしまう。 ただ、 それだけのことなのに…。 胸がキュッて締め付けられるようで、苦しくなってくる。 ーーハァ… 「仕事、頑張ろうっとっ!」 なんとか、 沈みかけてた気持ちを切り替える為に、 声を出しながら両頬をパチン…と両手で軽くはたいて気合いを入れた。 ーーー ーー 仕事開始5分前。 「ねぇ、芽依」 休憩室から戻った私が自分の席へと向かっていると、 待ち構えていたであろう優が、ニヤリとしながら声を掛けてきた。
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