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*海翔side*
俺、空回りしてばっかりだよな。
芽依が傍に居てくれるから、舞い上がってたのかもな。
俺の仕事のことに興味を持って貰えたのが単純に嬉しかったんだ。
外見じゃなくて、俺自身にちゃんと目を向けてくれてるってことが……。
いつも俺の周りには興味本意で近づいて来るヤツばっかりだったから……。
でも正直、芽依にどう接したらいいのかがよく解らない。
特別だって想えば想うほど、
離したくないって想えば想うほど、
どうしたらいいかが解らなくなってゆく……。
「海翔さん、勝手なこと言って、ごめんね。私だけで、どうしていいか解んなくて、不安だっただけなの」
芽依は何も悪くないのに、なんで謝ってくるんだよ、俺が悪いのに。
「謝るな。芽依を不安にさせたのは、俺だから、な?」
「でも…」
「いいって言ってるだろ」
「…うん」
まだ、
納得のいかなそうな芽依をギュッと抱きしめながら声を掛け、
ゆっくり離れた俺は犬の出産のために用意してた手袋をはめて、
仔犬をとりあげるための準備に取り掛かった。
もう、余計なことを考えないようにと心掛けながら。
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