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「絶対、色ボケだってー!」 「え?高岡さんって彼氏できたんだ?」 「え、あぁ、はい」 「そうなんです。 芽依ってば獣医さんにメロメロなんですよ~」 優が大きな声で言うもんだから、 近くのテーブルに座っていた事務の人達が話しに入って来てしまった。 「そーなの? 本当に松岡主任じゃなかったんだぁ?」 嬉しそうにそう言ってくるのは、 一年先輩の葉山さんと村上さん。 どうも葉山さんは松岡主任のことが好きみたいで、 松岡主任といつも一緒の私のことを良くは思っていないらしい。 それは、優の情報だけど……。 入社してからというもの、 ことあるごとに松岡主任のことを聞かれていたから、 優の情報は間違っていないようだったけれど。 どうして皆、 私と主任をそういう風に見るんだろうって不思議でならない。 どう見たって、 主任にしごかれてるとしか思えないんだけど……。 それに、 この二人は、 男性社員と女性社員との前とでは態度が違うから 私も優も上辺だけの付き合いをしていた。 まあ、仕事上の接点もあんまりなかったし。 だから、 私は盛り上がっている三人に適当な相槌を打ちながら、 早く話しが終わんないかなぁ…なんて失礼なことを思ってしまっていた。
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