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直後、何故か主任に
『迎えがくるんだろ?』
と、またまた言い当てられて固まっていると、
笑いながら先に帰ってしまった。
私って、
そんなに解りやすいのかな?
なんて思いながら、
会社を出て直ぐに海翔さんに電話を掛けると、
近くで待っていてくれた海翔さんが、
駐車場の入り口近くに車を横付けに停めてくれた。
車に近づくと、
当たり前のように…降車してきた海翔さんがドアを開けて乗るように促してくれる。
海翔さんにとったら大したことじゃないのかもしれないけど。
優しくエスコートしてくれる海翔さんに、
感激して……胸がジーンとあったかくなってくる。
「芽依?」
ポーッ…としてた私の顔を不思議そうに覗きこみながら名前を呼ばれて、
「……あ、ごめんね。だいぶん待ったよね?」
誤魔化すように……慌ててそう言って助手席に乗り込んだ私だったんだけど。
「ありがとうの間違いだろ?謝られても嬉しくない」
「ごめんなさい」
「また謝る。お仕置きだな。
朝まで寝させないからな」
意地悪な笑みを浮かべて、
僅かに口角を上げたと思ったら、
長身を屈めて、耳元に顔を埋めてきた海翔さんに低くて甘い声で囁かれてゾクリとさせられた。
それと同時に心臓までドクンドクンと忙しなく騒ぎ始めた。
「芽依、顔、真っ赤だぞ」
そこへトドメを刺されてしまい余計顔が熱くなってゆく。
感激してたのに……。
やっぱり、
海翔さんは、スッゴく意地悪だ……。
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