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朝になって、
静かな部屋にゆっくりと淡い光が射し込み始める頃。
目を覚ませば、
海翔さんのあったかい腕に包まれていて。
スウェット越しにあったかい体温が伝わってくる。
男の人なのに、
肌も陶器みたいにすべすべで透き通るように綺麗だし、
羨ましいくらいに顔のパーツも整ってるし
それに、お母さんによく似てるなぁ…
って、まだ眠っている海翔さんの無防備な寝顔に見とれていると。
僅かに腕の力が込められたと思ったら
ギューっと抱きしめられて、
仰向けになった海翔さんの身体に乗っけられてしまった。
「そんな見られると、穴…あくだろ?」
って、意地悪な笑みを浮かべた海翔さん。
朝といってもまだ早いし、
寝起きで少し掠れた…いつもより低い声にドキドキしてしまう。
「だって、一緒に居られるのが嬉しいんだもん」
素直にそう言えば、
「ホントに見てたのか?」
自分から言ってきたクセに、
驚いた表情でそんなことを言ってくる。
うー、
もしかしなくても、
カマ……かけられてたんだ。
「海翔さんなんて、嫌い!」
せっかく、幸せに浸ってたのに!
怒った私は、
海翔さんの身体から降りて背中を向けて寝転んだ。
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